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自筆証書遺言書保管制度とは

自筆証書遺言書保管制度とは2020年相続法の改正により自筆証書遺言の保管制度が創設され、遺言書の保管申請時には,民法の定める自筆証書遺言の形式に適合するかについて,遺言書保管官の外形的なチェックが受けられます。しかし遺言書の有効性を保証するものではありません。

1.遺言書補完制度のメリット

@遺言書の紛失・亡失のおそれがない。
A相続人等の利害関係者による遺言書の破棄,隠匿,改ざん等を防げる。

2.遺言書保管の申請

遺言者は法務局に自己の遺言書を保管申請することができる。法務局の遺言保管官は遺言が遺言の方式を満たしているか外形的審査を行う。 

3.遺言の保管

遺言書はデータ化され、画像データを遺言書保管ファイルで保管・管理されます。

保存期間は、原本は遺言者死亡後50年間、画像データは150年間です。

保存の内容:
@遺言書の画像情報
A遺言書に記載されている作成年月日
B遺言者の氏名、出生年月日、住所、本籍、
C遺言書に受遺者の記載がある場合には、その氏名又は名称及び住所
D遺言執行者の指定がある場合は、その氏名又は名称及び住所
E遺言の保管開始年月日
F遺言が保管されている遺言保管所の名称及び保管番号、

4.遺言書の保管の申請の撤回

遺言者はいつでも遺言書管理の申請を撤回することができる。

5.遺言書の保管・遺言書情報証明書の交付

@遺言書の閲覧・返還
遺言者はいつでも遺言書の閲覧又は返還の請求をすることができる。
  
A遺言書情報証明書の交付
遺言者の死亡によって遺言が効力を生じた後は、相続人受遺者及び遺言執行者は遺言保管官に遺言書情報証明書の交付を請求できる。

6.遺言書保管の通知

@関係遺言書保管通知
関係相続人等に遺言書情報証明書の交付又は第三者請求により遺言書を閲覧があった場合は、その他の相続人全員、受遺者、遺言執行者に対して遺言書を保管していることを通知されます。

A死亡時通知
遺言者があらかじめ通知先を登録する事により死亡の事実が確認できた時に,相続人等の閲覧等を待たずに、遺言書が保管されている旨が通知されます。

7.遺言書の廃棄

遺言保管官は、遺言者死亡の日から相続に関する紛争を防止する必要があると認められる期間として政令が定める日を経過した後は、保管遺言書を廃棄することができる。

8.家庭裁判所による検認不要

法務局の遺言保管官により保管された遺言書については検認手続は不要

9.保管の申請先

保管の申請先は次のいずれかの遺言書保管所の中から選択します。
 ・遺言者の住所地を管轄する遺言書保管所
 ・遺言者の本籍地を管轄する遺言書保管所
 ・遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所
 ★2通目以降,追加で保管の申請をする場合は,最初に保管の
  申請をした遺言書保管所に対してしか行うことができません。

10.遺言書保管制度の料金

 ・遺言書の保管の申請        3900円
 ・遺言書の閲覧の請求       1400円
 ・遺言書の閲覧の請求(原本)   1700円
 ・遺言書情報証明書の交付請求,  1400円
 ・遺言書保管事実証明書の交付請求  800円
 ・申請書等、撤回書等の閲覧の請求 1700円


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