遺産分割協議書作成と相続財産の分割方法について
遺産分割協議書の具体的な作成方法と相続財産の分割方法について解説します。
.遺産分割協議書の書式と書き方
遺産分割協議書 |
被相続人 渋谷太郎 本籍 渋谷区渋谷1−1−1 生年月日 昭和〇〇年〇月〇日 死亡年月日 平成〇〇年〇月〇日 第1上記の者が死亡した事により開始した遺産相続の共同相続人である渋谷一郎、目黒花子は相続財産について次の通り遺産分割の協議を行い、下記の通り分割し、取得する事に合意した。 1. 下記不動産は渋谷一郎が取得する。(登記簿に記載通りに明記する) 1)渋谷区渋谷1丁目1番1号 宅地200・45平方メートル 2)同所所在家屋 木造瓦葺2階建 2.下記銀行預金は目黒花子が取得する。(特定できるように具体的に明記する) 1)渋谷銀渋谷本店 定期預金(口座番号1234567)1000万円 2)渋谷銀行宇田川支店 普通預金(口座番号9876543) 300万円 3.本協議書に記載なき資産及び後日判明した遺産については相続人渋谷一郎がこれを取得する。 上記の協議を証するため、本協議書を2通作成して、それぞれに署名、押印し、各自1通保有するものとする。 a 平成〇〇年〇月〇日 |
住所 東京都渋谷区渋谷○丁目○番○号 生年月日 昭和〇〇年〇月〇日 相続人 (長男)渋谷 一郎 印 住所 目黒区目黒谷○丁目○番○号 生年月日 昭和〇〇年〇月〇 相続人 (長女)目黒花子 実印 (氏名を自著し、実印を捺印する。) |
@被相続人 | 亡くなられた被相続人の氏名のほかに本籍、死亡年月日を記載する。 |
A相続人 | 相続人の氏名、住所、相続人との続柄を記載する。 |
B内容 | どの財産を誰がどれだけ(所在地、広さ、金額等)取得したかを出来るだけ具体的に記載する。 |
C用紙について | 特に定められた書式、形式がなく、最近はA4用紙にパソコン等で作成するのが一般的です。 |
⓹署名・捺印 | 相続人全員が署名し、実印を押印する。印鑑証明書を添付する事が必要です。 財産を取得しなかった相続人がいる場合も分割協議書への署名と捺印が必要です。 用紙が複数枚になる場合は用紙と用紙の間に契印(割印)を全員で行います。 |
E保管 | 相続人の人数分作成し、各自で保管する。 |
3.遺産分割の4つの方法
それぞれ相続人には法定相続分が定められていますが日本では特に相続財産のほとんどが不動産の場合が多い為、公平に分割することがかんたんではありません。
遺産分割する方法は下記の4つの方法がありますがその一つを選択するか組み合わせで分割する事も可能ですのでそれぞれの長所や短所をよく考えて実行することが肝要です。
内容 | 長所 | 短所 | |
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現物分割 | 土地、自宅、現金等をそのまま各相続人に分配する | 解り易く、財産を現物でのこせる。 | 公平にわけるのが難しい。 |
換価分割 | 土地、自宅等を売却した上で現金を各相続人に分配する。 | 公平な分配が可能となる。 | 売却に手間と費用がかかる上に所得税や住民税等が課税される。 |
代償分割 | 土地、自宅等を一部の相続人に与え、他の相続人には現物を相続した人から金銭で支払う。 | 事業用資産や農地等を細分化せず残すことができる。 | 代償できる資金力が必要となり、また実行されないリスクがある。 |
共有名義 | 複数の相続人で持ち分を決めて共有で所有する。 | 公平な分配が可能となり、財産を現物で残すことができる。 | 利用や処分が自由にできず、次の世代の相続時には権利関係がより複雑になりもめごとになり易い。 |